あの子もみるって~店長たべのエッセイ~

「~に似てる」

 

このワードは人が人生を歩む際1回は必ず言われる、または聞かれるワードだと思っている。

平安時代や戦国時代、江戸時代にも言われたり聞かれた人はきっといて、紫式部や織田信長や坂本竜馬も誰かに「~に似てる」と言われたことがきっとあると思う。紫式部は「そんなことありません、いとをかし」(適当)って言って恥ずかしくなったり、織田信長は「この無礼者!!」って切り捨てたり、坂本竜馬は「全然似とらんぜよ!」と怒ってたりしていたかもしれない。

この誰か(または人ではない何か)に似てるという興味はなぜか人の中にずっとある。

しかもそれは赤ちゃんの時に始まり、「お父さんに似てるね~お母さんに似てるね~」と0歳から言われているのだ。

また「~に似てる」は大抵世間話のネタやバラエティーのネタになる。

今は無き「笑っていいとも!」で関根さんが司会のそっくりさんコーナーがあった。自分は好きでちょいちょい見ていて、それでめちゃめちゃ似てたら大笑いをして、逆に全然似てなかったら怒りさえ込み上げてきた時があった。まあそれなら良いのだが中途半端に似ていて会場も「あ~・・・」ってなるあの空気。あの空気感はまさに地獄。なぜか自分はその会場にいるわけでもないのにすぐチャンネルを変えて逃れようとしていた。会場はきっと想像もできない気まずい空気になっていたんだろう。その空気を関根さんやタモリさんはうまく笑いに変えていた。やはりプロなんだって感動した。そして中途半端って一番だめなことなんだと学ぶ。

 

この「~に似てる」もちろん自分の人生でも起きている。

 

最初は中学1年生の時だ。クラスの女子から「くまのプーさん」に似てるよねと言われた。あの上着だけきて隠したいのか隠したくないのかよくわからないディズニーの人気者。かわいいし人気者だから正直嬉しい気持ちの方が強かった。しかし男子がかわいいと言われて喜んじゃだめだ!男らしくいかなければという変なプライドが出て「似てねえし!やめろや~」と毎回言っていた。しかしその顔は笑顔を隠しきれずニヤニヤしながら言うというまさに中途半端でただ気持ち悪いという光景が生まれていた。このプーさんは短大時代にも言われる。

 

その次も中学生時代で友達からコアラに似てるよねと言われた。そう中学時代は人ではなかった。空想の動物とリアル動物である。コアラはかわいいけど友達に言われ続けるのは良い気分にはならなかった。女子と男子の違いというやつなのか。このコアラはサッカー部内に広まり後輩からもコアラ先輩、コアラさんと呼ばれるという先輩のせの字もない舐められ方をしてしまう。その時から仲が良い友達は今でも言ってくるが今となるとかわいいあだ名なのかもしれないと思う。

 

芸能人パターンでいうと最近よく言われるのは岡崎体育である。自分でもこれは納得してしまった。ちょっと似てるかもって・・・。あと嬉しかったのが秦基博。かっこいい部類の人に似てると言われるのはこんなに気持ちが良いのかと・・・。

その他にもただ黒髪マッシュで太っているという理由でバナナマンの日村さんって言われたこともあった。正直バナナマン好きなので嫌ではないなあって思ってしまった。不思議である。

一番ムカッときたのは「フットボールアワーの岩尾に似てるよね~ハゲじゃん(笑)」と言われたことだ。ちなみに岩尾さんに似てるからムカッとではない、そのあとの「ハゲじゃん(笑)」の部分だ。そう自分はハゲてはいない決して。なぜ顔が似てるからって勝手にハゲになんなきゃいけないのか。それなら太ってる人の顔が佐々木希とかに似てたら「痩せてるじゃん~(笑)」とでもいうのか。キムタクに似てたら「ちょ!待てよ!じゃん~(笑)」になるのか・・いやそれは違うか。

そういう似てるからといって適当な事を言う人がちょいちょいいる。

 

「俺の友達に似てるんだよねえ~」・・知らないわ、誰だよ(笑)

 

「似てるから~あのセリフ(またはギャグ)やってよ~」・・顔が似てるだけでものまねをふってくるという悪態。

 

「顔は似てるけど声違うね」・・同じだったら怖いよ。

 

~に似ているというだけでいろんな災難が襲う。しかもどれもそこまで似てない自分がそんなことを言われたのだから本当に似ている人の場合は困ることがたくさんあるに違いない。でも逆パターンもあって似ているだけで人気者になるパターンもあるのかもしれない・・・それはまた調査しようと思う。(絶対しない)

 

しかしいくら似ていようともその人はその人で同じ人なんていない。ばらばらだ。違うからこの世は成り立っている。同じ人がいたらそれこそヤバい世の中だ。そうみんな「もともと特別なオンリーワン」だ。

 

なんか聞いたことあるようなフレーズでシメてみたがなぜこんなことを真剣に考えたのか書いてる今も良く分からない(笑)

 

でもどうでも良い事を真剣に考える楽しさはやめられない。多分ずっと。

 

 

 

次の記事へ

前の記事へ

シリーズ「あの子もみるって~店長たべのエッセイ~」の記事一覧