あの子もみるって~店長たべのエッセイ~
9月からろたすに新入社員が入った。年は18歳で男の子、名前はリョータという。自分はばやといっている。以前はアルバイトでろたすにいたが、めでたく社員として働く事になった。
そんなばやは18歳にして考えがしっかりしていて将来の事もしっかり考えている。気遣いもでき、仕事に対しても熱心だ。スタッフのみんなにも優しく友達思いの真面目な子である。
はてさて、自分の18歳といえば大学の授業も聞かずにただ眠り、将来なんてなんとなくで友達と遊ぶこととバンドをなんとなく楽しくやって好きなバンドのライブにいって騒いで時間を有り余らせていた自分だ・・・・遊んでいた思い出しかない。そんな自分と比べてしまうとなんてちゃんとしているのだろうと思ったりする。
ばやがある時気になっている女の子とデートすることになったと言ってきた、どういうコースでデートをするのかどこでご飯を食べるのかなど悩みながらも楽しそうに言ってきた、その目はランランとしていて話を聞いていた自分までなぜかドキドキしてしまった。約10歳上の自分は経験者を語っていろいろとアドバイス的な事をいってみたが今思えば自分もデートに行ったのなんて数えれる程である。
しかも相手は高校の時の同級生らしい・・・なおさら自分には皆無の世界ではないか・・(高校生の時3年間男子のみのクラスだった)
しかし職場の先輩&人生の先輩というしょうもないプライドが出てしまう。
「あ、同級生同士とか良いよねえ~話しやすいよね~」(高校の同級生は男子のみの自分)
「あ、それすげえわかるわあ~」(実はそんなにわかってない)
「もうね、それは積極的にいってみたら~?」(自分は積極的にいったことはない、傷つきたくないので常に慎重だった)
その時一緒にいたしげさん(店長)が「知らないって良いよね、これから未知の体験ばかりだもんね、良いねえ~」と一言。
それを聞いた時に目の前のばやのキラキラした純粋無垢な心がつまらないプライドを出していた自分に突き刺さる・・・。
そして自分が高3の夏に友達と祭りに行ったけど出会いがあるはずもなくただ落ち込んで帰って、その時にいた友達とジュースで乾杯した光景がなぜか頭に浮かんだ。
ああ・・知らないって良かったよなあ・・・。
約10年前の青臭い感じを少しだけ思い出した。そしてその夜強がりの虚しさをしみじみと感じた・・・。
ばやに対してつまらない先輩プライドを出してしまった自分だが、心から思うことはばやのデートが成功しますようにただそれだけである。