社長に訊いてみた
ge-c
では、働く上で大切にしてることは?
中川
人との関係だね。特に今、人が見つからないってなかでさ。大事にしていかないと余計苦しくなるっていうのもそうなんだけど、そう言いつつ数々裏切られるっていうね。でもね。こっちがそういう想いで接してると思ってるのは俺だけで、まだまだ足りなかったのかなっていうのも思う。もう全てを自分の子供のように相手の事を思っていたらそうではなかったかも知れないし。そこはね。そこまで思えてなかった結果。カタチとして裏切られてしまったのかもしれない。でもね。いろいろ話すとダメなやつはいるよ。って落ち着いちゃうんだけど、もしかしたら、命懸けで接したら結果は違ったかもしれないけど、俺がそこまでできてないのも確かだとは思う。本気でそこまで接したら通じるのかなとかさ。
ge-c
その自問自答があるわけですね。これは本気なのか、「本当の意味」でその人の事を想っているのか。
中川
そう、本当に裏表無くね。好き嫌いもなくやれてたのかっていったらやれてないさ。好き嫌いは自分の中であるじゃん。自分の子供だったら好きも嫌いもなくさぁ。そうするわけじゃん。そこまでしてたかって自分に問うとしてないんだよ。そうなると、それで裏切られても俺が足りなかったのかなぁって思うところもある。基本しちゃいけないことをされてるんだから、そいつがダメだろうって言っちゃうのは簡単なんだけど、最終的にそうやって落ち着かせてるけど。でも、もしかしたら違う接し方をして本気でぶつかったら、変わったのかもしれないとかね。それは俺の方の本気さが足りなかったのかなとか思うときもある。それはいつも思うよ。そこまでができてないんだねきっと。
ge-c
そういうダメなやつはいるよ。っていう面もあるじゃないですか。採用する時点では、誰でも取るじゃないですけど、そういう感じですか?
中川
うん、そうしてた時期もあったけど、本当にいい感じで寄ってきて、人づてに寄ってきて、凄いイイ感じで接してたのにって思う時もある。
ge-c
面接の時点では凄い良かったけど。
中川
イイ感じの子だと思って色々知っていくうちに。怪しいぞと思い出して。そこに本気でぶつかっていけたのかっていうと違うのかもしれない。
ge-c
僕もスタッフさんに自分の想いを伝える時、こういうところが課題だよと言う時に、言って自分がすっきりしたいから言ってるんじゃないかなとか自分自答ありますね。
中川
あ~、それ系の自問自答多いね!
ge-c
多いですね(笑)
中川
あのいいんだよ。自分を悪く捉えちゃうというか。自分の心が悪いんじゃないか。黒いんじゃないかって思っちゃう節がある。
ge-c
あ~はいはい(笑)ありますね。
中川
多いね~。
ge-c
最近も高校生の女の子と向き合おうと思って、ここが課題だなぁというのがあって、まぁ演じた訳ですよ、嫌われ役を。嫌われてもしょうがないと思って言ってみたんですよ。そしたら、予想通り嫌われる訳ですよ。見過ごせばそのまま表面上はうまくいけるんですけど、そこをなんだろ、自分がすっきりしたいのか、本当にその子の将来の事を考えて言ってるのか、ていう自問自答はあって、でも言ってみたんですよ。そしたら結果、もうひとりの社員の彼に「店長の事、嫌いになりそうです。」って言ってきたのを伝えてくれて。まぁ、でもそういう覚悟がないとダメだと思ってやってみたんですよ。僕的には凄い恐怖だったんですよ。あんまりそういうことやらないんで。で、次の日、その彼女が来たら、いつもより凄く明るく接してくれるんですよ僕に。嫌な感じで接してこられるのかなぁって恐怖でいたんですけど、そしたらいつもより話しかけてきてくれるし。そうだから、伝わったのかな。彼女自身も自分で自分の課題だと知ってたらしいんですよ。
中川
うんうん。そこをさぁ。でも、本当に良くなってほしいから言ったんでしょ。それが伝わったんじゃない。それが本当に良くなってほしいと思わないと、嫌みっぽく言っちゃうもんね。それもわかるんだよ、たぶん。ただ、それに対してイラつかれてて、感情的になって言われてるのと、いや、俺は本当によくなってほしくて言ってるんだよという違いってたぶんね、伝わると思う。
ge-c
それを体験として今回あって、恐怖だった分、嬉しかったですね。本気だったら伝わるのかなぁって。。。
中川
でも、けっこう強敵はいるんだよね。闇をもってる人がいるのよ。ここは踏み込ませない闇を持ってる人がいるのよ。あれを打ち破るってのがね。。。できないんだよね。そこまでにいけてない俺は。まだまだだなって思うよ。これも自分の中で学びとしてやっていかないと。でもね、いろんな事が起こるから楽しいんじゃない(笑)って思うしかない。そう思ってるよ。ここ数年いろいろ苦しい事が続いているけどね。でもこれでさ~、俺が下を向いててもさ。せっかく俺の事を良しとしてくれる人に俺がこんななっててもさ。何にもいい事ないじゃん、周りの人が。だから、楽しそうに。
ge-c
それ、ほんとに出さないですよね、大将。スタッフさんには。
中川
出さないね。出したくない。
ge-c
僕、ろたすを開業して、同じ経営者の立場になって、初めてそういう面を見せてもらえたっていうか。
中川
あぁ~~。
ge-c
雇われてる時は一切、、、
中川
それが良くないっていう人もいるけどね。
ge-c
あ、ほんとですか?
中川
もっとそういうの出して、弱い部分も見せて協力してもらうっていう。
ge-c
あ~~~。はいはい。それわかりますね~。
中川
そう。その方が、、、「伝わる」っていうかね。でも、俺は弱いところを見しちゃいけないっていうのがずっとあって。ていうのと機嫌を外に出す人いるじゃん。あれ俺、一番良くないと思ってるの。関係ねーしこっち!っていうのあるじゃん。家でなんかあった機嫌を持ってくる人。知らねーし!ってなんない?そういうのに左右されるの嫌だから。絶対そういうのやらない。
ge-c
それ、一番の大将の教えですよ。常に一定でいろっていう。嫌な事があっても。
中川
うんうん。あと、感情的にものを言うとまぁ伝わらないから。なんか言ってるよって相手はなっちゃうんだよね。相手は。
ge-c
僕でもそれは一周してますね。僕、スタッフさんから常に一定って言われるんですよ。あの、なんだろう。。。
中川
うん、でもそう。感情を少し出した方が、、、
ge-c
伝わる。
中川
うん、伝わるっていうのは、俺も言われる。
ge-c
で、やっぱり、そういう風にずっと生きてるってことは何かを抑えてるってことじゃないですか?
中川
そうそうそう。抑えてるのが、、、
ge-c
それが慣れちゃってますよね。無意識の部分で。
中川
だから、何にも苦ではないんだよ。
ge-c
そうですよね(笑)
中川
これはこれでこっち側の問題だと思う。
ge-c
それ、凄い感じます。だって本心で生きてないじゃないですか。抑えちゃってるから。
中川
そう。だから本当に辛い事を出したらダメだみたいな生き方をしてきちゃったから。でも、辛さを見せることで共感してもらって、関係をもっと良くするっていうのがいいのかなぁって、俺も最近思うよ。
ge-c
はいはい。今、意識的にやってるんですよね。要するに自分のダメなところも言うようにしてます。ダメなところというか弱い部分みたいな。
中川
そう。ただね。上に立ってるのに俺が弱音を吐いたら、同じように弱音を吐き始めるんじゃないかって思うとできなかったんだけど。俺が弱音を吐かなくても吐くよね(笑)だから、共感の部分で引っ張っていくっていうのも一つの方法かもね。
ge-c
共感っていうと?
中川
自分も弱い部分を出しつつ、みんなでがんばろうねっていう。わかるよね~みたいな感じで。
ge-c
まぁ、だから、自分の失敗談を言ったり、自分自身もあなたたちと一緒で成長過程っていうのを伝えれば、お互いに伸びていこうよみたいな。自分もたいした人間じゃないっていう(笑)
中川
うんうん。でも、そこをね、頑張ってしまう。頑張んないとああなれないっていう存在になることで引っ張る。弱いところを見せたくないっていうのがある。そういう風に生きてきたから。だから、俺、「疲れた」とかは言わないし。言いたくない。
ge-c
言わないですよね。
中川
ぜんぜん平気っていう。
ge-c
(笑)
中川
疲れててもね。でも、そういうのが本当に最近、果たして良かったのかなぁとか思うところはある。それで壁が。。。俺は壁があるんだって。今一緒に働いてる子に言われるんだけど。あの~いきなりこう高い壁じゃないんだって。ある程度の高さの長い壁があるって(笑)いつまで経っても越えられない。
ge-c
それはその人からしたら、弱いところを、、、
中川
そう弱いところを見せないようにしてる姿。でも、見えちゃってるみたいで。
ge-c
お~~~。
中川
他の人達はそういうの感じてるんじゃないって言われて。
ge-c
あ~あ~。やっぱり奥の奥の方で自分が全部隠して、、、
中川
うん、隠して生きてるんだろうね。
ge-c
それが大将の美学じゃないですか。ダメなところを見せない。
中川
ダメなところをみせたくないっていう。
ge-c
僕もそうなんですけど。
中川
そうでしょ。わかるよ。
ge-c
だからこそ、そこはやっぱり伝わるんじゃないのかな。最近思ってるんですよ。
中川
そうどっかで伝わってての、軽い壁がずっと感じられる。ぶっちゃけられない感じ。
ge-c
「疲れた」って奥さんにも言わないですか?
中川
言うよ。
ge-c
あ!奥さんには言いますね。僕も奥さんにだけは言う。それを勇気を出して言ってみようかなぁって、他の人にも(笑)
中川
それさ~みんな疲れた~って言いそう。でも、みんな疲れるよねって言って、じゃ、みんなでもっと楽する方法考えようかぁっていうのもひとつかもしれないよね。これからの時代は、どうしたらもっと楽に稼げるか、自分だけで考えてても、ヒントが出てくるかもしれないし。そう、そうだね。シゲとかと接してても感じる?
ge-c
いや、、感じないです。僕、ほんとに、、、
中川
やめて自分でやりだしてから?
ge-c
独立したときに、大将ってこういう一面を僕にも見せてくれるんだって風に感じました。
中川
あ、やっぱ、うちで働いてる時は、見せないようにしてるんだよね。自然にしてるんだね。俺そこまで意識して、切り替えたつもりもないんだけど。そうなってるのはそこだよ。そうかぁ、やっぱりあるんだね。しっかりしなきゃって意識が強いのかな。
ge-c
それが無意識で習慣だから。
中川
で、シゲがうちから独立してから、そう感じたってことは、そうなんだろね。
ge-c
凄い印象に残ってます。
中川
そっか。自分らの中でも色々変えてかないとダメだね。これからね。今までのやりかたでは、、、。これだけ人がいないとさ、もうちょっと、自分の魅力で人を引きつけられるようにならないと。大事な人材が残らない。
ge-c
それが、僕の課題ですね。
中川
俺もそうだよ。一緒だよ。経営者としてやってく中ではずっと課題かもね。より良くなんなきゃいけないわけじゃん。でも、どのカタチが正解か分からず、やってく訳じゃん。
ge-c
正解は分かんないですもんね。
中川
その人にあったね。一番いいカタチがあるんだろうしね。。
ge-c
僕はそういう意味では、ちゃんと「さらけだす」っていうのが、テーマですね。
中川
う~ん。
ge-c
隠して、生き続けてきたんで。
中川
俺もそうだよ。それだね。
ge-c
そうすれば、人が、、、そういう本心じゃないと人はついてこないっていう意味で、、、
中川
そう。そうなのかもしれない。
ge-c
ていうのが、最近、ちょっと気づいたというか。なんか「さらけ出してる風」だったんですよね、自分(笑)。
中川
う~ん。なんだろう。あと「嫌われたくない」が昔から強いのかなぁ、俺。
ge-c
あ~、はい。僕もそうです。
中川
だから、別にしょうがないじゃん。冷静に考えるとそうなんだよ。俺の事、嫌いな人がいても普通じゃん。これだけいろんな人がいたら。なのに、みんなに嫌われないようにしようとすると、、、
ge-c
めっちゃ一緒じゃないですか、大将、僕と。
中川
、、、こうなっちゃうんだよ。
ge-c
あ~はい!(笑)そうですよね。
中川
誰も俺の事を嫌いな人がいないようにしたい。。
ge-c
はい!はい!はい!めっちゃ僕そうでした。
中川
そう。だから、ずっとそうだよ。
ge-c
凄い一緒ですね。僕と。
中川
そう。そうするとこうなっちゃうんだよ。こういう感じになっちゃう。隠してる感じに。どっかにあるんだよ。
ge-c
でも、最近、僕、もう色々、ナチュラルに嫌われるって事がわかったんで。
中川
(笑)
ge-c
もうほんとに(笑)
中川
でもね、色々考えたら、自分の考えもさ~、偏ってる部分は偏ってるし、嫌われることもあるな~って。いいか嫌われても~って思わないと、ずっとこの感じは変わんないんだろうなぁ。
ge-c
ようやく、だから、いろいろ嫌われる経験をして、それが大丈夫になっちゃいました
中川
あ~あ~。でもそのほうが、正直、強いと思う。嫌う人もいるんだけど、凄い気に入ってくれる人もいる。
ge-c
そうですね。
中川
だからあれだよね。二郎系みたいなもんだよね。ダメな人はぜんぜんダメじゃん。でも、好きな人は物凄い好きなわけじゃん。そういう感じじゃない?ラーメンに例えちゃったけども。
ge-c
(笑)ラーメン屋なんで。
中川
ラーメン屋なんで。
ge-c
全ての人に好かれたい!っていうの正に自分もそうだったなぁって思って。学生時代。
中川
俺もそうそうそう、それ。
ge-c
それ、初めて、聞きました。僕以外の人が言ってるの。
中川
あ、マジで。俺も正にそれだよ。
ge-c
はい。
中川
だから、とりあえずの人受けはいいから。生徒会長とかやっちゃう。先生からの受けもいいし。あと、昔、中学生の時は女の子の親からも受けがいい。うちの子の旦那にしたいみたいな。人当たりがいい。外面がいい。最低だよ(笑)心が違ってたから最低だよ(笑)
ge-c
(笑)それ、凄いっすね。僕よりその気持ちが強い。
中川
俺の方が嘘つきでね。
ge-c
違う違う(笑)その全ての人に、、、
中川
徹底してた感じ。そういう風に生きてきちゃったから、果たしてそれがいいのかって今は思うよね。けっこう、リーダーシップのある人を見ると癖もあるし、その人の事、嫌いな人もいっぱいいて、敵もいっぱいいるんだけど、やっぱその人じゃなきゃダメだみたいな人がついてるみたいな。そっちの方が魅力的なのかなぁ。
ge-c
やっぱり、ぶつかりあって、、、
中川
それで、ダメな人はダメでいい。そういう人の方が強い信念を持っていて、俺はこれだからわかってもらえない奴はいいよっていう。そこが俺とかの弱いところで、、、
ge-c
それでも残る人が、本当ですよね。
中川
そう。なのに、やめられるのが困るから、いい顔しちゃって、自分の強い信念を出せない。
ge-c
隠す。
中川
そうそう。結果、薄く広くみたいな。薄い関係の人が多いのかもしれない。アクの強い人の方が濃い関係の人がいるよね。結果その方が強いのかもしれない。そこらへんは変わってく必要があるかもね。そう思う。俺の悩み。
ge-c
僕は正にそこですね。
中川
うーん。
ge-c
だから、自分に嘘をつかない。
中川
難しいね。この年までそうやって生きてきたのにさ。急に変えるって。ちょっとずつ小出しにしてくしかないよね。うん。
ge-c
ですね〜。では。最後の質問にいきますね。プロフェッショナルとは?みたいな感じで〆る感じになるんですけど(笑)、まぁ、ぜんぜん違うんですけど、あなたにとってラーメンとは?
中川
なんだろうね。ラーメンのおかげで今の人脈があるし、今の生活もあるし、だから、結果自分にとっては社会に出てからの全ての元がラーメンだよね。これがなかったら生きていけてないよね。ラーメン中心で今のいろんなものが成り立っている。今思うと。そう言われてみると。そうかぁ。大事だねぇ、ラーメンって。ラーメン凄いよ。大事だよ。
ge-c
大事ですよね。
中川
ほとんどの今の人間関係、ラーメンだよ。業者さん、当然、同業者もそうだし、。
ge-c
そこで、人間関係っていうところが、大将の「人を大切にする」っていう表れというか、根本にあるんでしょうね。僕は、ラーメン=人間関係って出なかったですもん。今の人間関係があるって。
中川
あ、ほんと?もしラーメン除いた時に、俺どれだけ周りに人がいるかなぁと思うと、全然いないよ。
ge-c
まぁ、確かに。自分もそうですね。
中川
そう思うと、本当に大事だなぁと思う。そういう感じでラーメンとは今の生活の全てだね。
ge-c
そうですね。僕の場合は唯一生きていける道ですね。ラーメンがなかったらどうやって生きてたんだろうって思う。ラーメンがこの世界にあってよかったです。はい。なんか言い残したことありますか?
中川
うん、大丈夫かなぁ。
ge-c
はい、今日は長い時間ありがとうございました。
(おわりです。)