日常の非日常 ge-cの頭ん中

あれは1993年、僕が中学校1年生の時、
同じクラスにナミさんという女の子がいた。

彼女はある刈り上げの青年の写真がプリントされた下敷きを持っていた。
それでいつも勉強していた。

「この人カッコいいでしょ。ミスターチルドレンっていうバンドのボーカルの桜井さんって言うんだよ。」と嬉しそうに僕に教えてくれた。
僕は全然興味がなかったけど、そう言ってそのバンドの音源を録音したテープを貸してくれた。

まだ「クロスロード」も「イノセントワールド」も世に出してない頃のミスターチルドレンを彼女は僕に教えてくれた。

1994年、中学校2年生の時、
アクエリアスのCMでマウンテンバイクに乗って坂を登っていく女の子の映像が流れた。
そのバックで流れていた曲が「イノセントワールド」だった。
ミスチルはこの年、社会現象になるぐらい大ブレークした。
僕もミスチルファンになってしまった。



青春時代特有のあの悶々と葛藤していた日々、僕は「良くも悪くも」ミスターチルドレンに支えられて生きてきた。
ミスチルの新譜を聴く度に「あーこれで3ヶ月はもつなぁ」などと思った。
桜井さんにはずいぶんお世話になった。

1995年、中学校3年生の時、 同じクラスのミワさんがB’zのアルバムを貸してくれた。
僕は全然興味がなかったけど、家に帰って聴いてみた。
当時の僕はロックなのに、なんでメンバーに「ベース」も「ドラム」もいないんだろう?とそこに違和感を覚えた。
正直ぜんぜんいいと思わなかった。
が、すぐ次の日に返すのも失礼かなぁ。と、思って2週間ぐらいしてから返そうと自分なりに空気をよんでいたら、
3日後ぐらいに「早く返して!」と、怒られた。

1996年、高校1年生の時、
部活の先輩に「山さん」というまじめな先輩がいた。
「君達、ゆずって知ってる?二人組のストリートミュージシャンなんだけど。ゆず来るよ。もうすぐゆずくるよっ。」と言ってきた。
「何ゆずって?」とみんなでバカにしていた。
今となっては国民的売れっ子ミュージシャンのゆずだが、その当時は誰も知らなかった。
それから2年後「夏色」でゆずがブレークした。
みんなで「山さんすげー」と、言った。 

僕は90年代が好きだ。
そろそろ大根仁監督の「SUNNY」という映画が公開される。
サブタイトルは「強い気持ち・強い愛」。
90年代の音楽が劇中歌としてめっちゃ流れるらしい。
日本中の女子高生がルーズソックスを履いていた90年代のコギャルを広瀬すずが演じる。
僕は「懐かしい」っていう気持ちが好きだ。
妻(僕の一個上)もこの映画を観たいらしい。

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