日常の非日常 ge-cの頭ん中

モチベーションという言葉があまり好きではないけど、今は何をモチベーションにして日々を過ごすか悩んでいたところ。

ろたすを開業して10年が経つ。麺屋中川の修業時代、独立開業に向けて、味の研究を日々してきた。東京にラーメン食べ歩きに行って1日でラーメンを5杯食べてくるなんてことをよくやってた。

ラーメン作りの本を買って、独学でラーメン作りにのめり込んでいた。そんな中、大将に「シゲは味作りはもういいから(言わなくてもやるから)、それ以外をやったほうがいいよ」とアドバイスを頂いた。

そう、ラーメン屋を独立して、ずっと続けていくためには「味が作れる」だけではダメなのだ。

飲食店の廃業率は、開業後3年で7割なんて言われている。

ろたす開業時、ある本を読んでこんなことが書いてあった。「何屋かわからない自分の才能をカタチにした仕事をする」この言葉に感銘を受けて、10年間突っ走ってやってきたところはある。

味の追求はどこのラーメン屋さんもやってることだから、そこでは大きく勝てない。自分が勝てるブルーオーシャンを探してそこで勝負しよう。グッズの販売を始めたり、DJイベントをやったり、ラーメン教室をやったり、展示をやったり、YouTubeを始めたり、オンラインショップを始めたり、WEBろたすでエッセイを書いたり、朝ラー営業を始めたり、本を出版したり、労働環境を整えたり、フェスでイベント出店したり、そこで自分の価値や希少性みたいなものを表現してきた。

そんな中、最近、いろんな目標や夢が叶ってしまった。自分は何のために生きてるのだろうなんて考えてしまう。次は何を原動力に日々を過ごしていこうということになってきた。例えば、最近、プロフェッショナルで観た楽天の三木谷社長のように世の中をもっとよくしたいという大きな志しみたいものは僕にはないし、そんな大それたことを僕にはできない。

ただのラーメン屋という僕が、世の中のために何かできるのかと考えた。というか、僕はそんなにいい人間ではないので、今何に夢中になれるんだろうと考えた。その答えのヒントは過去にあると思った。そう、昔の僕は、大将に「もうやらなくていいよ」と言われるぐらいラーメン作りにハマっていたのだ。

だから、開業して10年、感覚的には味以外をずっとがんばってきた。これからは改めてラーメン作りを一から深く追求していこうと思った。「もっと美味しいラーメンを提供する」というところに行き着いた。

スープも改良したいし、麺も改良したいし、香味油も試してみたいし、チャーシューも変えてみたい。今できる自分のベストをもう一度勉強して、味作りと向き合っていきたい。それが僕のこれから生きる原動力になったら嬉しい。

僕のラーメンをまずいと思う人もいれば、毎週通ってくれるお客さんもいる。人のおいしい、まずいではなく、妥協のない自分の納得できる一杯をこの先時間をかけて作っていきたい。食べ歩きもまた始めよう。

と、宣言してみたけど、実際、どうなるかわからない。もっとハマる何かに出会うかもしれない。まぁ、それが何であれ、死ぬまで何かに夢中になれたら幸せなことだと思う。

自分の喜び(自己満足)が、結果、誰かの幸せに繋がったらほんとラッキーだと思う。そんなふうに生きれたらいいね〜。

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